勤怠不良の社員を解雇する際に気をつけておくことは?

 勤怠不良の社員とは、遅刻が多かったり、欠勤も連続ではないものの月に数回あるような社員のことです。
この勤怠不良の社員を解雇したい場合、ポイントは、勤怠不良の状況が、解雇されるのもやむを得ないと思える程度まで不良か?ということです。その不良度合いに応じて解雇権の濫用の有無が判断されてしまうからです。

 したがって、正当な権利として解雇権を行使するために、解雇前に、その不良度合いを判断しておくことが必要です。

具体的には、@欠勤回数、Aその欠勤は連続か、B無届か事前予告か、C欠勤理由の有無(たとえば病気)、D病気なら、その理由を裏付けるもの(病院の診療レシート、診断書)、Eその欠勤によって会社の業務に支障が生じたか、F支障が生じた場合、その程度 などが挙げられます。(早退、遅刻についても同様)

 また、その欠勤や遅刻、早退が続くと解雇という重大な不利益を受けることになるということを、事前に当該労働者に伝えておくことです。解雇という決断をする前に、必ず、教育や警告が必要となります。
 解雇するに至る勤怠不良の事実は、解雇した側、すなわち、会社が主張、立証しなければなりません。

口頭で注意するケースが非常に多いですが、会社を守るためには、文書でしておくべきです。
遅刻(理由がない遅刻)が多発している場合は、始末書もとるべきです。しかも、一事案(一遅刻)につき、一枚です。 

また、欠勤日数、遅刻の時間数、日数、それぞれが頻繁かどうかについては、会社としては、タイムカード等により労働日数、労働時間を管理しているので、証拠は揃います。
欠勤・遅刻の事前届出の有無、理由については、業務日誌に連絡を受けた者がメモをしておく習慣があれば有力な証拠となります。病気欠勤の場合は、欠勤日数が多くなるときは、医師の診断書を提出させることで、それが有力な証拠となります。
 では、欠勤や遅刻が多いとは、どの程度のことをいうのかということです。
一般的に、欠勤では「連続1ヶ月」、遅刻でいえば「直近3ヶ月で半分が遅刻」・・・といった程度です。

 しかし、そんな程度まで、会社は容認できるものではありません。
その場合は、解雇されてもやむを得ない程度の不良(欠勤ないし遅刻)で、会社の業務に支障が生じたかが論点になります。

 上記の事実関係の主張・立証ができるかどうかによって、解雇されてもやむを得ない程度の不良度合いを判断されて、解雇権の行使が正当か、それとも濫用だったかが審判されます。

 ただ、留意したいのは、労働時間または労働日の出勤に裁量のある労働者には、この勤怠不良をもって解雇することは難しいと思われます。なぜなら、そのような社員は裁量労働制だったり、幹部社員だったりするわけで、単純な遅刻、欠勤で解雇することはできないからです。それをすることは、会社自らが、労働基準法41条2号の管理監督者の位置づけを否定することになってしまいます。
 むしろ、このような社員には、遅刻、欠勤の結果、成果が出ていない(高度専門職)、あるいは、部下・部署の管理ができていない(幹部社員)ことが退職させるときのポイントとなります。これはむしろ能力が低い社員として認識するべきでしょう。