社会保険料の削減策

こうすれば、社会保険料は削減できる!
        6つの削減策!

   
 はじめに・・・

 社会保険料の「削減」、「節減」、「適正化」とは、
それは、あなたの会社の現状を把握したうえで、
目に見える形で、
「これだけ社会保険料が減ります」と、
言えなければなりません。

 こうすれば、「社会保険料は削減できます」という知識の提供よりも、
「年間○○○万円削減できました」と、実践的コンサルティングで削減結果を
出すことのほうが重要です。

 「理屈」ではなく、会社の実態を把握したうえで、
数字で「削減額」を示すことが「できるか」、「できないのか」がポイントです。
  
 当事務所は、会社の経費削減を真剣に考えています。


 赤字会社でも容赦なく、均等に徴収されてしまうのが、社会保険料です。

 税金は、果たして、そういう「徴収方法」でしょうか? 

 赤字決算なら、
必要最低限の税金(法人県民税・法人市民税)の支払いで済むはずです。


 会社が採るべき
社会保険料削減? いや節減、そして、社会保険料適正化に向けて、

削減効果を「可視化」する手法で、

御社の営業利益向上をサポートいたします。

 私は、国家資格者であるため、
合法的な手法で、社会保険料削減のお手伝いすることをお約束いたします。

社会保険料適正化その4 500-300.png


 なお、「無料相談」は行っていませんので、あらかじめご了承下さるようお願いいたします。
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 会社経営者の皆さんがコスト削減を考える際、まず税金対策に目が向くのではないでしょうか? 確かに税金は会社の大きな負担となっていますし、それで頭を痛めている経営者の方も多いはずです。

 しかし、会社が抱えるコスト全体から見ると、社会保険料が占めている割合も意外と大きなものです。

 社会保険料について何の対策も講じないのは、経営や資金繰りを大きく圧迫してしまう要因にもなり得ます。ところが、会社の方は、社会保険料が高いと嘆くばかりで、節税対策と比べますと、何故か、温かい理解?があるようにも見受けられます。

 このページでは、そのような会社の資金繰りの円滑化に役立てていただくため、様々な社会保険の削減方法をご紹介しています。コスト削減を意識していただき、効率的な会社運営にどうぞお役立てください。

01. 社会保険料削減策その1 「入社日と退職日には注意!」
02. 社会保険料削減策その2 「社会保険の加入要件の把握をすること」
03. 社会保険料削減策その3 「4月・5月・6月の給与を払い過ぎないこと」
04. 社会保険料削減策その4 「常勤の役員を非常勤に」
05. 社会保険料削減策その5 「借上社宅を利用」
06. 社会保険料削減策その6 「就業規則の休職期間の短縮化」
 

社会保険料削減策その1 「入社日と退職日には注意!」

 従業員の入社日と退職日は、会社が負担する社会保険料の納付額に関わってきます。もし従業員1人だけのことならまだしも、これが5人、10人となると会社の負担もかなり大きなものとなります。それがどういうことなのか、順を追ってご説明します。

 まず、健康保険と厚生年金保険の加入日(資格取得日)は入社日となります。また、資格喪失日は退職日の翌日です。そして、保険料は資格取得日の属する月から発生し、喪失日が属する月の前月まで徴収されます。さらに、保険料は月ごとに徴収されることになっています(日割りではない、ということです)。このとき、入社日が月中のどの日であっても1カ月分の保険料が発生するということに注意してください。

 これを踏まえて、社員の入社日について考えてみましょう。保険料は月ごとに徴収されますので、入社日が属する月には保険料が発生します。つまり月末に入社した場合でも、その月の分の保険料をまるまる支払わなければならないことになってしまいます。よって、入社日は月の初めとするのが理想です。

 また、社員の退職日について考えてみましょう。月末に退職した社員の資格喪失日は、翌月の1日となります。保険料は「喪失日が属する月の前月」まで徴収されますので、保険料は「退職した日の属する月」まで発生することになります。
しかし、退職日を月末の1日前とすることにより、保険料は「退職した日の属する月の前月」までしか徴収されないことになり、社会保険料の削減が図れるのです。

 実際に、入社日と退職日についての具体例を考えてみます。

(1)3月31日入社、7月31日退職の場合
 ・社会保険料の徴収は3月〜7月分まで → 保険料は5カ月分

(2)4月1日入社、7月31日退職の場合
 ・社会保険料の徴収は4月〜7月分まで → 保険料は4カ月分

(3)3月31日入社、7月30日退職の場合
 ・社会保険料の徴収は3月〜6月分まで → 保険料は4カ月分

(4)4月1日入社、7月30日退職の場合
 ・社会保険料の徴収は4月〜6月分まで → 保険料は3カ月分

 最も社会保険料の負担が大きいのは(1)のパターンです。
(1)の入社日と退職日を1日ずつ変更して、(4)のパターンとすることによって、2カ月分もの社会保険料を削減させることができるのです。
(1)と(4)での在職期間は2日しか違いません。
しかし、標準報酬月額を30万円と仮定した場合、社会保険料の月額(会社負担分)は

・厚生年金保険料 : 24,618円
・健康保険料    : 14,970円(介護保険料を含まず)

 これらを合計すると、1カ月の保険料は39,588円となります。つまり、会社が負担する2カ月分の保険料は79,176円にものぼります。たった2日間の在職日数で、これだけ社会保険料が乖離してしまう実態を認識しておく必要があります。
もし、このようなかたちで年間10人が退職したとします。
その保険料は79万円以上にもなってしまうのです。つまり、約80万円ほど利益が消失しているのです。
 他社との競合で薄利な事業展開を余儀なくされることも想像に難くありません。自社の損益構造から、この80万円の利益を生み出すためにはいくら売り上げを増加させなければいけないのか、一度電卓をたたいて見て下さい。
御社の損益分岐点売上高と併せて、この社会保険料削減策をご検討されることは、決して無駄になることではありません。

 一度に多くの社員を入社させる場合には入社日を月の1日に設定することで、より効果的な削減策となり得ます。
 ただし、退職日については退職者本人の意向もありますので、会社側の都合だけではなく、双方でキチンと話し合う必要があります。また、給与の締め日との兼ね合いもありますので、給与計算の簡便さも踏まえてルールを決めておくことを提案いたします。


社会保険料削減策その2 「社会保険の加入要件の把握をすること」

 社会保険の加入義務についてご存知ですか?

 法律では、法人である全ての会社が社会保険に加入しなければならないことになっています。社長が1人だけの会社であっても加入義務があります(これはよく誤解されている点です)。その会社で働いている人も原則的に社会保険に加入する(被保険者となる)必要があります。部長やヒラ社員、またアルバイトやパートなどといった役職や名称にかかわらず、原則的に加入要件を満たした全ての人を、会社が加入させる義務を負っています。

 ただし、社会保険に加入できるのはある一定の要件を満たした人のみです。このことは、裏を返せば「要件を満たさない人は加入させなくてもよい」ということになります。つまり、加入要件を上手に利用すれば、社会保険料を削減することができるのです。

 ここで、社会保険の加入要件に着目します。
 よくある勘違いなのですが、

・パートタイマーは正社員より低い給料、また労働時間が短いため、社会保険の加入義務がない・・・
・試用期間は、社会保険の加入義務がない・・・

などと考えていらっしゃる方はいませんか? 答えは「No!」です。
加入要件は、社員各人の労働の実態によって決定されます。

 では、社会保険に加入できない人について、具体的にその要件を挙げてみます。

社会保険の加入要件を満たさない者
(1) 労働時間が正社員のおおむね4分の3未満の者
・パート等で、1日または1週間の労働時間及び1カ月の労働日数が、同業の従業員のおおむね4分の3未満
(2) 日々雇い入れられる者で、労働期間が1ヶ月を超えない者
(3) 2ヶ月以内の期間を定めて臨時に雇用される者
・ただし、雇用期間の終了後も引き続き雇用されることになった場合は、その時から社会保険に加入
(4) 季節的業務で4ヶ月以内の雇用期間が定められた者で、後に業務の都合により雇用期間が延長された者
・6ヶ月以上の雇用期間を定めていた場合は、雇用の最初から社会保険に加入
(5)昼間部の学生アルバイト

 社会保険料のコスト削減を考えている経営者の方は、上記の要件をじっくりと確認してみてください。合法的なこの削減策を利用するためには、会社全体の業務をもう一度整理する必要があります。

 業務の効率性を勘案したうえでパート・アルバイトの導入の可能性を検討したり、実際にパート・アルバイトの人たちを積極的に戦力として採用したりと、これまでとは違った具体的なスタッフの活用が求められることになります。もしかすると、業務の見直しを行うことによって今まで隠れていたコストの、新たな削減策が見つかる可能性もあります。いや、削減に向かって、ベクトルを傾けるべきなのです。

 これが、資金繰りを良くする方法でもあり、会社を救う道なのです。社長、今一度、キャッシュフロー経営の原点に立ち帰ってみませんか?


社会保険料削減策その3 「4月・5月・6月の給与を払い過ぎないこと」

 4月・5月・6月の給与を払いすぎないこと、これは重要です。

 社会保険料(標準報酬月額)の見直しは、1年のいつの時点の賃金に基づいて行われるかについては、皆様もご承知のことと思います。しかしながら、敢えてそれを申し上げておきます。

 毎月の社会保険料は、毎年4月・5月・6月の3ヶ月間に受けた給与(交通費、残業代込み)の平均額を基準に決定されます。この3ヶ月間をもとに算出された社会保険料は、給与に一定の変動がない限り、その年の9月から翌年の8月まで原則として変更されません。したがって、1年間はそのまま、その社会保険料が適用されることになります。つまり、4月・5月・6月の支給額が多いか少ないかによって、その後の社会保険料が大きく変わってくるのです。

 年間に支給される給与は同じであっても、もし、4月・5月・6月以外の給与に多めに振り分けるならば、その年の9月から翌年8月まで1年間の社会保険料は低く抑えることが可能です。このような方法は、特に年俸制を採用している社員などに有効ですが、月給制の社員にも適用させることができます。

 つまり、4月・5月・6月になるべく残業を減らすことによって、社会保険料を低くすることができます。標準報酬月額を決める場合の報酬とは、賃金、給料、俸給、手当といったどんな名称であっても、被保険者が労務の対償として受けるものすべてを含みます。すなわち「残業代」もその中に含まれるため、4月・5月・6月に残業代が多く支払われると、社会保険料も高く設定されてしまうことになるのです。

 ただし、年度途中で昇給などにより、給与の変動があると、標準報酬月額の改定を行わなければならない場合があります。それを随時改定(月変・ゲッペン)と呼びます。随時改定(月変・ゲッペン)は、固定的賃金(基本給・家族手当・役付手当・通勤手当・住宅手当など)に変動があった月から数えて3ヶ月間の平均額を算出し、2等級以上の差が生じ、各月の報酬支払基礎日数が17日以上の場合、それに基づいて標準報酬月額を決定することになります。

 このため、特に年俸制度を採用している社員に当てはまることですが、せっかく4月・5月・6月の給与を低く抑えても、他の月で固定的賃金を上乗せしてしまうと、年間での社会保険料を軽減することはできません。つまり、4月・5月・6月以外に給与を増やすとしても、それが固定的賃金以外(残業手当・歩合給・出来高給など)であれば、社会保険料の増加を防ぐことができます(随時改定を行う必要がありません)。

 ここで留意したいのは、4月・5月・6月に支払うべき残業手当などをその当該月に意図的に支払わず、他の月に振り分けて支払うのは、労働基準法の「全額払いの原則」に抵触します。
 
 平成23年算定基礎届の提出からは、定時決定の算定方法によると、年間報酬の平均により算出する方法より、標準報酬月額等級について2等級以上の差が生じ、著しく不当であると判断した会社は、「報酬月額の算定の特例」(年間)にて決定してもらうように申し出ることが可能になっています。ただし、会社における例年の状況、標準報酬月額の比較及び被保険者の同意等の資料が必要となります。

 これは今までなかった措置であり、やはり、国も、4月・5月・6月だけの賃金をもって、例外なく、1年間、その社会保険料を徴収していくことの矛盾を感じた証(あかし)と言えます。

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社会保険料削減策その4 「常勤の役員を非常勤に」

 社会保険料削減策その2「社会保険の加入要件の把握をすること」でご説明したように、会社で働いている人はどのような職位・身分であっても、加入要件さえ満たせば社会保険への加入義務があります。それは社長や役員、ヒラ社員、パートタイマーであっても同様です。

 その要件を上手に利用すれば、「常勤役員」を「非常勤役員」にすることによって条件を変更し、社会保険から除外することが可能です。それはどのようなケースが該当するのか、以下ご説明します。

 中小企業では、夫が代表取締役(社長)、配偶者である妻が取締役といった形態がよく見られます。そうした会社において、配偶者である妻を常勤役員から非常勤役員に変更するという方法が考えられます。ここで重要なのは、これまでフルタイムで働いていた妻の従事していた時間・日数を実際に減少させることです。

 つまり、名目だけ「非常勤」にするのではなく、就業実態そのものを変更する必要があります。就業実態が変わらなければ、社会保険の加入要件を満たしていると判断される可能性があるためです。

 この非常勤役員の就業時間・就業日数については、正社員のおおむね4分の3未満を目安とします。具体的には、1日の労働時間が6時間未満、1週間の勤務日数が4日未満、1ヶ月の勤務日数が16日未満を目安としてください。このように、配偶者である妻を非常勤役員とすることによって社会保険料を削減することが可能となります。また、非常勤に変更する役員は、もちろん配偶者である妻以外であっても何ら問題はありません。ただし、非常勤役員が健康保険と厚生年金保険の資格を喪失したとしても、国民年金と国民健康保険には加入しなければなりません。

 そこで、妻の年収を130万円未満にまで抑えることによって、社長である夫の健康保険の扶養に入る(被扶養者となる)ことを考えましょう。また、妻が20歳以上で60歳未満ならば国民年金3号被保険者となるため、現在は、国民年金保険料の納付は不要となっています(平成24年7月現在)。

 次に、夫の報酬と妻の報酬について、具体例をご覧になって下さい。

(ケース1)夫が代表取締役、妻が常勤取締役
夫の月収が80万円、妻の月収が30万円の場合
 ・夫の月収      : 800,000円
 夫の健康保険料  :  45,544円(介護保険料を含む)
 夫の厚生年金保険料:  50,877円
  社会保険料の合計(月額)=96,421円(夫の社会保険料)

 ・妻の月収      : 300,000円
 妻の健康保険料  :  17,295円(介護保険料を含む)
 妻の厚生年金保険料:  24,618円
  社会保険料の合計(月額)=41,913円(妻の社会保険料)

この例の場合、夫と妻の月収合計は1,100,000円です。
そして、夫と妻の社会保険料の月額138,334円にもなってしまいます。

 そこで次に、妻を非常勤取締役に変更し、報酬も引き下げたケースを考えてみます(ただし、夫の報酬は引き上げています)。

(ケース2)夫が代表取締役、妻が非常勤取締役
夫の月収が100万円、妻の月収が10万円の場合
 ・夫の月収      : 1,000,000円
 夫の健康保険料  :  56,497円(介護保険料を含む)
 夫の厚生年金保険料: 50,877円
  社会保険料の合計(月額)= 107,374円(夫の社会保険料)

 ・妻の月収      :  100,000円
 妻の健康保険料  :     0円
 妻の厚生年金保険料:    0円
  社会保険料の合計(月額)= 0円(妻の社会保険料)
 対策前の社会保険料 138,334円  ⇔  対策後の社会保険料 107,374円(軽減額30,960円)

 ケース2では、妻の年収を130万円未満にまで引き下げたため、健康保険は夫の被扶養者となるとともに、国民年金3号被保険者となっています。また、夫婦合算での月収額は110万円のままで何ら変更がありません。

 しかし、社会保険料の月額合算は107,374円にまで抑えることが可能になりました。つまりケース1とケース2を比較すると、社会保険料の月額では30,960円の削減、年間では371,520円もの削減になります。

 大したことないと思われる方は、これから、あとどのくらい健康保険・厚生年金保険料を納付していかなければならないかを自問自答して下さい。健康保険は75歳まで、厚生年金保険は70歳まで、ただ、ひたすら納付していかなければならないのです。料率は上がることはあっても、下がることは期待薄でしょう。

 現在、これをご覧になっている貴方が、45歳と仮定します。厚生年金保険の納付が終了する70歳まで、貴方が社会保険料削減策を講じなければ、上記の軽減額は、(70歳-45歳)×371,520円=約929万となります。

 削減策を講じるか、講じないかによって、これだけ違ってしまうのです。

 このように、妻を非常勤役員に変更することによって、社会保険料の削減効果が大きく表れてきます。また、妻が社会保険から脱退することによって、妻の60歳以降の厚生年金について満額受給できる(在職老齢年金の支給停止が発生しない)ことにもなります。ただ、夫の所得が上がりますので、所得税(累進課税)や住民税が多くなります。しかし、それが増加しても、「費用対効果」で考えるくらいの意識改革が必要です。


社会保険料削減策その5 「借上社宅を利用」

 社会保険料の算定には、賃金、給料、手当などといったどんな名称であっても、被保険者が労務の対償として受けるものすべてを含みます。基本給は当然のこと、○○手当、××手当といった金銭で支給されるものだけでなく、通勤定期券など、金銭によらず、現物で支給されるものも報酬の対象となります。こうした社会保険の算定基準に従って、住宅手当を相当金額支給している会社を例にとり、社会保険料を削減する方法を考えてみます。

 住宅手当を社員に支払っている会社は多いはずです。 住宅手当は上記のとおり、社会保険料の算定に含まれるものですが、次のような具体例で社会保険料の削減案を考えてみます。

月収38万円、家賃8万円の社員の場合
(ケース1)
社員が個人的に住宅の貸貸借契約を結び、会社から住宅手当4万円を支給する方法
(この住宅手当4万円は月収38万円に含まれているので実質本人支給34万円と考えられる)
※社員は38万円の給料から家賃8万円を支払うので、残り30万円となります。
 しかし、住宅手当は、社会保険料の算定対象となっていますので、

社会保険標準報酬等級: 支給額38万円に対する標準報酬月額は38万円
健康保険料  :  21,907円(介護保険料含む)
厚生年金保険料: 31,183円
月額保険料合計 :53,090円(会社負担分)

(ケース2)
社員が借りていた住宅を会社が借り上げて社宅とする。家賃8万円は会社の負担となるが、社員から家賃を、「本来支給していたはずの住宅手当」と同じ金額の4万円を毎月の賃金から控除する方法
(見直し前の月収38万円から 住宅手当相当控除分4万円を減算すると34万円)
※社員は34万円の給料から家賃4万円(従来と同じ住宅手当支給相当分)を会社(借主)から控除されるので、残り30万円となります。
 実際に、動くお金の額は同じになります。しかし、決定的に異なるのは、社会保険料の額なのです。このような対策を講じた場合は標準報酬月額は34万円となりますので、社会保険料は以下のとおり削減が可能になります。

社会保険料標準報酬等級: 支給額34万円に対する標準報酬月額は34万円     
健康保険料  : 19,601円(介護保険料含む)
厚生年金保険料:27,900円
月額保険料合計:47,501円(会社負担分)

 ケース1とケース2の社会保険料の差額は1ヶ月で5,589円、年間では67,068円です。その額が対策を講じたあとの軽減額です。もし、同じ賃金で同じ方法が適用できる社員が5人いるとすれば、年間で335,340円もの削減につながります。また、社員にとっては支給額が減るため、所得税と住民税も減少するといった節税効果も生まれてきます。単年度では微々たる軽減額と感じる方もいるでしょうが、このような方法を知らずに20年も経営を行っていく場合、約671万の「お金」が会社から消え失せてしまうことになります。

 ただし、これまで住宅を個人的に契約していた社員を、社宅として住まわせるのですから、退去時の問題等が発生することが予想されます。

 たとえば、解雇したのに、居座られた場合です。賃貸借契約の当時者は、「貸主」と「会社」となりますので、会社の責任において、社員を退去させない場合、貸主から違約金や損害賠償も考えられます。したがって、無用なトラブルを防止するために、このような対策を講じる場合は、「借上社宅管理規程」などを作成し、住宅の使用にあたってのルール及び規律を明確にしておく必要があります。

CIMG0494re.jpg こうして本記事を書き終わってみると、
実は私も、会社の社宅として、社員の方に貸している貸主であると、今、実感しました。
もちろん、契約当事者は、「私個人」と「会社」です。家賃の振込も会社から振り込まれています。
会社名を挙げれば誰でもわかる優良企業ですから、安心して貸しています。


社会保険料削減策その6 「就業規則の休職期間の短縮化」

 社員が、業務に起因しない私傷病によって長期欠勤することはよくあります。

 しかも、復職後、また同じ病気で長期欠勤を断続的に繰り返すと、会社に与える影響も大きくなってきます。まず押さえておきたいのは、社員が長期欠勤していても雇用関係が存続している以上、たとえ賃金が発生していなくても、社会保険料が発生してしまうことです。社会保険料は、労使折半ですから、社員だけでなく会社にも支払い義務があるのは当然です。

 会社の経営活動に寄与していない社員のために、「休職期間が長い」制度を抱えている会社では、その長い期間にわたって社会保険料を払い続けることを余儀なくされます。また、中小企業では限られた社員数での経営が求められるため、長期欠勤者が1人いるだけで、効率的な経営の障害になります。

 その観点からも休職期間は、できるだけ短く設定しておいたほうが、会社のリスクは軽減されます。元来、休職制度というのは、就業規則上で絶対に定めなくてはならない事項ではありません。あくまで、福利厚生の一環として、会社独自で定めている制度なのです。

 度重なる長期欠勤を理由に、その社員に退職して欲しいと思っても、就業規則で休職期間を大企業並みに設定していれば、それまでの間、当該社員を退職させることはできません。したがって、長期欠勤によって会社に与える影響が大きくなる前に、そう、いわゆるリスクが顕在化する前に、就業規則上の休職期間を短くするための変更手続きをしておくことを提案いたします。ただし、現に休職者がいるのに、休職期間を短くすることはできません。就業規則上の不利益変更に該当するからです。

 ただ、休職者がいない場合には、社員の理解を得ることは、そう難しいことではないはずです。休職期間については、在籍している勤続年数に応じて休職期間の長さを変えてあげないと、社員のモチベーションは必ず低下します。入社して1ヶ月の社員と、勤続年数5年や10年の社員と同じでは、社員からは、永年の功労を評価してくれない会社と勘違いされる可能性があります。したがって、必ず、在籍年数をレンジ化し、勤続年数の浅い社員にはそれなりに、勤続年数の長い人には、ある程度の休職期間を設けることをおすすめいたします。

 そのことによって、見込み違いで入社させてしまった身体的に労務に耐えられない社員を早期に排除できる効果も持ち合わせています。今一度、自社の就業規則の休職期間の長さと、休職に入るための期間・・・この2つを確認しておくことは、大変重要です。

 また、就業規則には「休職期間を満了しても復職できない(休職の事由が消滅しない)場合には、退職とする」旨の確認もしてください。あくまで、休職期間満了時は「退職」であって、「解雇」ではありません。「解雇」になっている就業規則の場合は、すぐに改定作業に着手するべきです。

 もし、これから就業規則を作成する場合の会社は、休職期間を短く設定することによって、社会保険料の削減につながるとともに、会社経営を効率的に行うことができます。